こんにちは。『春還』更新してきました。
予告通り、今作の中では黒ファイ濃度高めの黒ファイ回です。あえて黒ファイと呼ぶこの理由はいつか明らかになるはず。
さて、作中の「歌」をタップすると、ツールチップにて現代語訳を表示するようになっています。
この仕掛けの技術的な備忘録として、「ツールチップ適応対象の領域がinline要素だと、適応対象が二行以上に跨った場合、最小幅に合わせてツールチップが表示される(例えば二行目が一文字しかないと、ツールチップも一文字幅分の細長いものになってしまう)」ということを記録しておこう。単純に適応対象領域をblock化すると、横長画面で見た場合の体裁が不格好なので(画面幅一杯の不要な領域にまでツールチップが表示されてしまう)、内容量に合わせて領域(最大幅)を調整してくれるinline-block化するのが正解。ようやくこの辺が分かってきたぞ……。リファレンスなしで解決できた自分を褒める。
できる限り古文の勉強はしたのだけど、文法が間違っていたらごめんなさい。読み飛ばしてください……。
以下、ネタバレというほどたいしたこともない制作秘話(?)です。
『春還』、実はもともと、枕詞をタイトルに持ってきたいなと思っていた作品なのですが、納得できるような枕詞が見付からず、「ないなら作ればいい」精神で繋ぎ合わせた五音をタイトルにしているのでした。そして、タイトルから始まる和歌を作中で詠んでほしい(黒様に)という、自分の首を絞める以外の何ものでもない高等錬成術を目標に掲げやって来ました。和歌を詠むために苦労していた痕跡が、ちょうど一年ほど前の日付とともにプロットに残っています……。教養バリバリ生粋の若様な黒様ならもっと上手に詠むはず……無学下賤の私ではゴーストライターにもなれぬ……。
音韻や技法に関しては由惟殿の返歌のほうが高等そうだな……と思わないでもない。
どうでもいい話をすると、必要に迫られて和歌や古文文法の勉強を始めた当時、裏で書いていたのが短編の『合鍵』でして、「不得手ながらも苦心して歌を詠む黒様」の対比として「一切歌を詠めない黒様」に登場してもらっています。
ちなみに、最後のファイさんの台詞は「五七調三十一文字※字余り」にしています。という突然の裏話。
そして今回、歌を贈り合って距離が縮まり、想いが通じるという展開です。古典的にはベタな展開であっても、現代人が書くと新鮮だな……というのが素直な感想。そして想定以上に清いやり取りに、よかったね……と思わずにはいられないのでした。幸せになって……(泣いてる)
拍手ありがとうございます!
読んでくださっている人がいると分かるだけで励まされます……。感謝です。
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