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そろそろ月下の本領を発揮すべく、ブラックな方向に。
書き出したら案外長くなりそうで停滞中。
どうなる事やら。


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夢の中(仮)

 


ごめんね、と泣いた。
どうして謝られたのか、判らない。
ただ理解できる事としては、オレがあの人の胸に銃口を押し当てている事だけだった。
―――銃口?


「…悪夢だ」
重たい頭を振って、けれど起き上がる力もないから、汗ばんだ身体を投げ出したままオレは呻いた。
大量の雨粒が屋根を、地を、木の葉を打ち付けている。
掠れた声はその音に完全に消されてしまい、薄暗い部屋の空気は一層孤独さを増した。
夜は明けかかっている。
携帯を確認すると、五時。
画面には、メールが届いている事を知らせる文字の並びが浮かんでいる。
深夜に届いて気付かずにいたらしい。送信者は、山本。
『元気にやってるか?』
「元気な訳ねーだろ。ばかやろう」
ぱし、と乱暴に携帯を閉じて、深呼吸した。
元気な訳ない。

毎晩立て続けに夢を見る。
何度も、何度も。同じ夢を。
そして、最後は決まって、疑問を抱いた所で目を覚ますのだった。
これはある意味ホームシックなのか。
それにしても、なんて厭わしい夢だろう。
この手であの人に銃を突き付けるなど。

(ああ…)
早く帰りたい。
理由は知らないが、あの人は、毎日決まってオレの身を案じるように連絡をくれる。
それだけがあの人の無事を知る手がかりだ。今日もできるだけ早く連絡が欲しい。
あんな夢は所詮夢でしかないのだと、そう慰められてしまいたい。
オレはまだ帰れないから。
でも、どうして?
(記憶喪失ってこんな感じなのか…?)
思い出せない。
違う。思い出さないようにしているのか。
とにかくオレの胸は塞がったままで、きっとそんな閉塞感が悪い夢を呼び寄せるのだ。
「…じゅうだいめ…」
激しい雨音にまんまと消されてしまったオレの声。
消されてはいけない。半ば意地を張ったこどものように、もう一度繰り返す。
「十代目」
辛うじて自分の耳に届いた声は、しかし、どうしても不安定な響きを拭いきれてはいなかった。

 


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