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獄←山な駄文の書き殴り。
続きを書きつつも時間がない。
完結できる保証もない…
現段階では獄←山←綱にも読めます ね。
泥沼になるつもりで書き始めたのですが、沢田さんは未だ無自覚れす。



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どうしよう(仮)

 


「獄寺、遅せーな」
らしくもなくポツリ呟いた山本に、オレはすっかり、彼の身に起きている事態を理解してしまった。何て事だ!
「あー…早く来ねーかなぁ」
今度は独り言のように言って、机に広げたまっさらなノートに胸から上を寝転がせた。
オレはしばらく彼のしゅんとした顔を見詰めて、ああ間違いないと呆気にとられた。
山本に元気がない時なんて、数えるほどしか見た事がない。
今までだって、こうやってオレの部屋に集まる約束をして獄寺くんが遅れてきた事はあったはずだけど、それにしたってこんな顔をする事はなかった。
オレは気付いてしまった真相にだんだんと居た堪れなくなり、何より落ち込む山本を見ていられなくて、何とか早く時の流れる事を祈った。
しかしこんな時に限って秒針というのはのろのろと動くものらしく、獄寺くんは一向に姿を見せない。
何かあったのだろうか。さすがに心配になってくる。

「なぁツナ、どうしよう」
不意を突かれて、えっ、と甲高い声を上げても、山本はさして驚かずに、伏せた上体をわずかにオレの方へ向けて続ける。
「オレさぁ…獄寺がいねーと本当駄目なのな」
これはもしや核心か!と身構えたが、果たしてそうではなかった。山本は言う。
「宿題全然進まねーよ…」
ああ、そ、そうだね。
困惑を隠せないまま返事をしても、山本はやっぱりオレの反応なんて気にもしていないようだ。
悩めるその表情は、どうやら、宿題の進度だけが原因ではないらしい。
「オレな」
ただ口に出したいだけなのだろう。
返答は期待していないと見えたので、オレは黙って、山本の弱々しい声に耳を傾けた。
「問題解説してくれてる時のさ、獄寺の目が好きなのなー…」
すき、という明瞭な発音に、何故かこちらがどぎまぎしてしまう。
「伏し目がちになるからかな?睫毛長いのがよく判ってさ、漫画みてーって面白くて」
漫画みてーって面白くて、が山本的だ。
「あと目が真剣なんだな。で、前髪がちょっとかかってんのも何か」
「好き?」
思わず口を挟むと、この時ばかりは山本も驚いて目を見張った。
それから情けないような笑顔になって、うん、好き、と言う。

確かに、獄寺くんは綺麗だ。オレだってそう思ってしまう。
尤も、当の本人は綺麗な事に自覚がないのか、いつもぎらんぎらんな目付きをしている。
それさえなければもっともっと綺麗に見えるのだろうけど。
そして彼がぎらぎら目付きを解除するのは、せいぜいオレやリボーンや母さんにだけ。
一方とても言えたもんじゃないが、山本に対しては敵意むき出しだ。
もしかしたら、そんなだから余計、山本は堪らないのだろう。
とげとげした気持ちを一切かなぐり捨てて、勉強にだけ没頭する獄寺くんの綺麗さが。

「あー、そうでもないか」
山本は突然に首を傾げて言った。
「声も好き」
優しく目を細める。
「指輪じゃらじゃら付けた手も。反応も。不機嫌そうな顔も」
それって、全部じゃないの?
と、またしてもオレが余計な言葉を割り込ませたら、どういう訳か山本は嬉しそうに笑った。
「やっぱそうか!オレ、あいつの事全部好きなのな!」
すき、
この短時間に聞き慣れたはずなのに、その響きは呼吸の際にオレの肺に触れて、つきり、と妙な音を立てさせた。
何なのだろう。この不可解な痛みを表現できる言葉が、見付からない。

どうやらオレは長い間、ひとり黙って考え込んでいたようだ。
気付けば、山本は気まずそうな顔をしてオレを覗き込んでいる。
「ごめん」
どうして謝られたのか判らずにいると、彼は少し俯いて視線を落とした。
「何かオレ、変な事言ったみたいな。今日ちょっとおかしいわ」
うーんと伸びをして、片付くはずもない宿題の山に向き直り、山本はそれぎり口を利かなかった。
あれは、まるでオレが気を悪くして、それにうろたえているような謝り方だった。
オレはただ、初めて覚えた痛みのようなものを形容しようと頭を捻っていただけのつもりだったのだが、ひょっとして怒った風にでも見えたのだろうか。
そんな誤解を与える態度だったのなら、こちらも謝らなければ、と口を開きかけたものの、何故だか躊躇って、結局オレたちはお互いに無言のままその日を終えた。
獄寺くんは、来なかった。

 


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書けるといいんだけど…
どうもここまでっス。すみませんorz


 

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